1. |
祇園の夜
02:34
|
|||
表情が翳る 流れるように詩が鳴る
高瀬川 忘れられた小舟
白鳩が飛び立った 冬を越した また春だ
二度目の桜 舞う花の中を緩やかに歩け
そして眼を見ろ
時代は変わる 私も終わる
最後の桜を見ることも叶わず
その訳は分かっている 背中を向けたからだ
白昼のこと 俯瞰していた
何に期待していた
千年前の千年後 蕩尽はもうないと
時折思い出した
忘れた過去さえも
邪気のない眼
その手に触れたかった
消えてくれない過去の願い
俺は今に知るだろう
この場所で終わると
|
||||
2. |
散歩詩
01:36
|
|||
境内 粉混じりの午後の光
手繰り寄せて陣取る 痩せた背中の煙と
みな 輪郭をぼやかして
頼りない 人影だった
はぐらかされた心地で
馬鹿々々しさに身を許す
間延びした時間が
先のほうから腐ってゆくのを
横目で見送っていた
並べた御託が絡まって空転する
俺はそれを吉兆と捉えた
今日は火事でも起こればいい
|
||||
3. |
鴨川
01:43
|
|||
ここからは遠い 過ぎ去った思い出 平熱の記憶
同じ場所を惚けたように歩くかりぐらしの人
路は長く そして儚い 時間の経過
場所はすぐ消える ここもなくなる
行方不明者
酩酊 青年 純麗 河川
私の位置は平熱の記憶
「青年、誰を迎えに向かうのか」
距離がわからずに道に迷った
平気なふりをして寂しかった
名残が去って白い鳩が鳴いた
ガラスの裏で詩情さえいらぬと
今も 無常に酔って帰りたくなった あなたのもとへ
思い出せない星の聲
そうしてまた時が欠けて 呻いて
愁情で彼我を分かって
平熱を抱擁して
|
Streaming and Download help
If you like Angry Son, you may also like:
Bandcamp Daily your guide to the world of Bandcamp